坊守日記(12月)【更新12月1日】

2020年10月10日(土)  14:56

坊守日記(10月)

 

       厳しい暑さがつづいていたはずなのに、お彼岸を境に急に涼しくなり、わがままな坊守は、「えー寒い」。

       暑い暑いと、文句ばかり言っていたのに、涼しくなれば、ひとりぶつぶつと小言を。

  坊守は「煩悩具足の凡夫(ぼんのうぐそくのぼんぶ)」=心身を悩ますものを、捨て切れない愚かなひとでした。

  コロナが収束しない中、冬の到来です。インフルエンザの予防接種をしていただいたり、みなさまがお元気にお過ごしできるように願うばかりです。

  先日、わたしの携帯電話のLINE(ライン)に、このような広告があらわれました。

 「1966年7月生まれ、あなたの運勢は、10月から大きく変わる」

きゃ~何で?わたしの生年月日を知っているのでしょう。心の中は、怖さと誰かに見られているのではないか?と不安になりました。

そして、10月にわたしの運勢がどんな風に変わるのか!なんて考えながら「占う」というボタンを「ポッチ」と押してしまうところで、

美しき西方浄土

  阿弥陀如来の西方浄土が、清らかな蓮華が咲き、うるわしくかざられた、さとりのお浄土として説かれている。

 親鸞聖人は、安楽浄土のさまざまなありさまを、

 法蔵願力(ほうぞうがんりき)のなせるなり

  美しい浄土のありさまは、「迷いの凡夫を我が国に生まれさせ、必ずさとりに導きたい」という阿弥陀如来の願いに力によってできあがる。

 凡夫は、さとりの世界に背を向け、迷いの世界にあり続けている。阿弥陀如来はそれを哀れみ、悟りの内容を凡夫に応じて示される。

  凡夫は、坊守でした。「占う」を押して、占ってもらうのも良しです。凡夫のわたしは、わたしに都合の良いことが携帯の画面に表示されたら、

 運勢が開かれる!と思い生活は楽しくなることでしょう。しかし、都合の悪いことが表示されたら、気持ちは不安になることでしょう。

 ここからが、作戦です。あなたが、幸せになるためには

 「〇〇をお買い求めて、身に着けて下さい」

 「〇〇を買い求めて、西の方角においてください」と、「ポッチ」と押して〇〇を買い求めてしまいそうな坊守。

心がふらついてしまう広告。まだまだ、ご聴聞の足りない坊守がいました(笑)

お寺に足を運び、ご聴聞できない今だからこそ「本願寺新報」「築地本願寺新報」を拝読しながら、そして、動画発信などを利用して迷わない心を養いたいと思います。

 

                                                             合  掌

 

 

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