坊守日記(12月)【更新12月1日】
なんと!西願寺にポケストップが
坊守日記(6月)
早いことです。今年も折り返しの6月のカレンダーに変えます。
毎年お正月を迎え、お彼岸を迎え、ゴールデンウイークを迎え・・ながら、
お寺の行事といろいろな花の咲き始めたことで、季節を感じ6カ月を振り返る私ですが、
今回は、10年を振り返る出来事がありました。
坊守は現在、54歳なので、44歳の時のことです。
2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」後のことです。
当時、ご近所にご家族3人でお引越しをしてきた方がいました。
仲の良い60代のご夫婦と息子さんでした。
子供たちに注意を受けます。
「ママ、すぐに誰にでも話しかけるのはやめな!」
その性格は、10年前も変わっていない様子です(笑)
奥さまが、公園を散歩している姿を見かけ
「桜が満開で、散歩をしていて気持ちがいいですね」
と、お話しかけると
「実は私たち家族は、福島第一原子力発電所事故による災害から、
こちらに来ました。どうぞよろしくお願いします。移動、移動を6回
目にしてここに、落ち着くことができました。ホッとしています」
思い返せば、何て返せば会話が続いていくのだろうと、ドキドキしたことを思い出します。
それからは、会うたびに少しずつですが、地震以外の会話もでき、
おばちゃんの井戸端会議らしきものに発展していきました。
ご主人さまは、おとなしく、真面目で綺麗好きな方に思えました。
いつもお天気の良い日は、お布団を干し、洗濯物やお買い物に出かけする姿はシャンとしていました。
お布団が干していないベランダを見ると「どうしたかしら?」と思わせる程の几帳面なご主人さまでした。
坊守「ねえ、良いお天気なのに、お布団を何日も干していないから気にならない?」
住職「とくに」
坊守「なんで?」
住職「用事があったり、干したくない気分だったり、人それぞれでいいでしょう」
坊守「そうだね」と、しっかり住職から忠告されました。
娘にも「今時、お節介おばちゃん的な存在は、嫌われるよ」と、言われたこともあるのに・・・
「最近、お布団が干されないので心配です」と、声をかけてしまいました。
あ~性格を変えれるなら、変えたいと思う瞬間です。
お答えは
「福島の住んでいた自宅に、掃除と草苅に行っていました。しかし
滞在時間は決まっているし、近くに泊まれる施設はなく大変なこと
です。いつ帰れるかもわかりません」と、
お話ししながら、何もできないことを確認したことです。
希望を感じることもたくさんお話し、喜んだこともありましたが、
時間とともにご主人の顔から、笑顔と挨拶を交わすことが減り、目も
合わせることがなくなりました。
そんな間柄が、10年目にして。
「奥さん、引っ越しをすることに決めました」
坊守「ご自宅に?」
(10年間で、小さなイオンスーパー・宿泊施設が建設されて、
帰ることも少しずつ可能になってきていました)
「いいえ、福島県内です。自宅に帰りたい気持ちと現実といろい
ろ悩みました。10年間、何をしていたんだろ~とも考えることも
多くなり、踏ん切りをつけました」
西願寺の玄関に飾られた「蓮の花」を見ながら、お引越しの前日、お話しをしました。
10年はあっという間でしたが、息子さんが小学生の時、夜にバットを振ったり、
壁にボールを投げつけ拾う姿を見て「頑張っているな~」と、
そして、福井県の高校に旅立っていく姿は、心細く悲しそうにも見えました。
卒業をして、大きくなって髪の毛が伸びた息子さんにも逢えました(笑)
そして、旧の西願寺の姿と新の西願寺の建設を見せていただいたことも大きな励みになりました。
坊守「寂しくなりますが、新しい生活を陰ながら、応援しています。
いつか、福島に遊びに行きます。その時は福島の魅力を教えてください。
どうかお身体だけはご自愛ください」と、手を握りました。
コロナ禍、手を握ったことを二人で「やだ~」と、笑いながら、手を振りながらお別れをしました。
いつも早い早いと、6ヶ月を振り返る坊守は、今回はお引越しのご縁に
「あれから10年」という思いを書かさせていただきました。 お元気で🌼